2024.012.12
株式会社システムサポートは、Celonis株式会社と共同で、2024年12月17日に「ServiceNow ITSM領域のCelonis導入事例 〜圧倒的スピードでの可視化と価値創出〜」ウェビナーを開催します。
本ウェビナーでは、ServiceNow ITSMの活用とCelonisのプロセス分析を通じて、どのように迅速かつ効果的な改善を実現し、その価値を最大化するかをServiceNow ITSM領域でのCelonis導入事例をもとに、具体的な取り組みをご紹介いたします。
本稿では、弊社システムサポートが、ServiceNowのシステムを対象に、実際にCelonisを用いた可視化の事例について解説します。
今回は日本でも多くの企業が導入しているServiceNowのITSM領域に対してCelonisを活用したプロセス可視化の事例をご紹介します。
※ITSMとは、組織がエンドユーザにITサービスを効果的に提供するための戦略や仕組みのことで、ITサービスの品質向上や顧客満足度の向上を目指す、ビジネスに欠かせない要素です。
Celonisを活用したプロセス可視化を進めるにあたり、弊社では、Celonisをより早く、より効果的に活用いただくため、ダッシュボードの「ひな型」を用意しています。
「ひな型」を使用することで、ダッシュボードの構成検討などに多くの時間を割くことなく、迅速にプロセスの可視化・分析を実施するベースが用意できます。弊社の「ひな型」では、ITSMでよくある「件数・対応時間の削減」や、「一次解決率の向上」などのKPIを標準で表示できるようにしています。
より多くのお客様にこのようなコンセプトをご活用いただくために、現在Celonis Market Placeへの登録を目指しています。
ここからは可視化の詳細に触れていきたいと思います。
Celonisで分析を行うには、まず分析対象となるシステムとの接続が必要です。
様々なシステムとの接続が可能なCelonisですが、ServiceNowとの接続は、CelonisのMarket Placeに用意されているコネクタを使用することで、簡単に行う事ができます。
以下は接続の手順です。
1. ユーザー作成
ServiceNow上で、Celonisがアクセス可能なユーザーを作成し、十分な権限を付与します。
2. 認証方法選択とホワイトリスト登録
接続時は、資格情報またはOAuth認証を選択します。また、ServiceNowのファイアウォール設定でCelonisのIPアドレスをホワイトリストに登録する必要があります。
3. テナントURL登録
ServiceNowのテナントURL(例: https://xxxxx.servicenow.com/)をCelonisに登録します。過去にIPアドレスで登録を試みた際、Celonisが非対応で接続に苦労した経験がありますが、URL形式での登録が必須です。
今回弊社では、アクティビティとして用意すべき項目を、接続と並行して行っていたため、実際にServiceNowとの接続ができてからは、3日でプロセスエクスプローラによる可視化が可能になりました。
どのお客様のからも共通して言われることがあります。
『可視化するまでが速い!!』
そうなのです。通常、プロセスの可視化には数か月かかる認識をお持ちの方が多い中、プロセスエクスプローラによる可視化までは、3日ほどで表示までが可能です(必ず3日で可能という訳ではありません)。
そこで「こんなことを深掘りできそう」「分析観点としてこの項目が必要だ」といったことが発見できるので、ダッシュボードを作成する際の分析軸設定等で活用します。
分析を行う上では、KPI(重要業績評価指標)を設定し、その指標に近づいているのか遠ざかってしまっているのか、また近づいている場合は実行した施策、逆に遠ざかっている場合はその原因を分析するため、プロセスエクスプローラ以外の画面を作成します。
Celonis社のセッションで得た知見を活かし、弊社では全体を俯瞰できるオーバービュー画面と、それらを深掘りするための詳細分析画面の「ひな型化」を実施しました。このひな型により、イチからの画面構成検討が不要となり、レイアウト構成を考える工程が省略でき、第一弾の画面案を圧倒的なスピードで提供することに成功しました。
なお、弊社では下記のダッシュボードを標準の構成としています。
オーバービュー
KPI一覧確認用画面とする
シンプルに3つのKPIとそれらを補うサブKPIを配置する
現在のKPI状況および傾向を表示可能なグラフを用意する
詳細分析画面
各KPIの詳細分析を行う画面とする
KPIとサブKPI を画面に配置し、指定した条件での値を把握可能とする
OLAPテーブルを配置し、対象のデータの集計や状況を確認する
円、棒、折れ線などのグラフを配置し、割合や傾向を確認する
各種エクスプローラー
プロセスエクスプローラ
バリアントエクスプローラ
ケースエクスプローラ
これらのひな型を基にお客様の要望に合わせて柔軟にカスタマイズし、定例会でブラッシュアップを重ねています。ダッシュボードは継続的に進化を続けています。
まず、Celonis分析画面を活用して改善機会を特定し、根本原因の分析対象とする改善機会を絞ったうえで、根本原因の分析を行います(図内①~③)。その内容に対してビジネスケースの構築をして改善機会の改善価値を定量化し、定量化した改善機会について対応する優先順位を検討します(図内④~⑤)。
ここでも実例をご紹介します。
問合せ管理をServiceNowで実施し、問合せ対応の満足度調査を実施した結果、満足度が1(最低)の場合、問合せ区分が3つに集中していることが分かりました。また、満足度が1の問合せに絞り分析をした場合、解決平均時間、初回回答平均時間が伸びる傾向があったことから、改善するべき点を簡単に把握することが可能となりました。
また、Celonisの強みは、分析の軸を柔軟に変更し、KPIを動的に判断できる点にもあります。
改善すべき課題の確認ができたので、次は価値の創出です。
改善機会を発見してもそこで満足してしまい、改善活動に取り組まなければ、価値は創出されません(それでは宝の持ち腐れですね!)。弊社では、しっかりと改善活動のサイクルを回すために、プロジェクト内でCoEの設置を行い、改善機会特定から価値創出、そして定着のため伴走していきます。
では、どのようにして「価値の刈り取り」まで結びつけているのでしょうか。
まずは、設置されたCoEと共に、改善機会に対しての改善策を検討します。
検討した改善策毎に「ボリューム」「インパクト」「ポテンシャル」「対応難易度」を検討し、それらが実施できるかを実行部隊側で確認を行い、採用された施策ごとに実行責任者を設定し、進捗をCoE開催の週次定例で確認する方式を実施しています。
この方式をとることで、改善機会に対して改善アクションと実行計画を策定から実行へとフェーズを確実に前進させることができます。(前出図内⑥~⑦)
最後に、改善アクションの改善結果を監視し価値を維持・定着化していき、成功事例として経営陣に報告を行える状態としていきます。
そして、Celonis分析画面を使用しその改善機会が是正され、KPIがどのように変化したのかを分析します。対策が上手くいっていない場合は別の手を講じ、上手くいった場合は対策を継続しながら別の改善機会を発見し、更なる価値創出サイクルを回していきます。(前出図内⑧~⑨)
このサイクルを常に回し続けることが大変重要です。
弊社では、真のプロセスエクセレンス実現のためCelonisの自社導入も行い、クライアントゼロを実施することで、自社内でのCelonis利活用から得られたノウハウやナレッジの蓄積を行っています。そこで得た経験を、お客様先のプロジェクトで発揮するできることも弊社の強みです。
Celonisのダッシュボード作成だけではなく、改善機会の発見、改善策の検討、効果の刈り取り、そしてスキルトランスファーまで、クライアントゼロ経験を活かした一気通貫したサポートを行っていますので、ぜひご用命ください。 また、ServiceNowをご利用されている方々が、スムーズにそしてスピーディにCelonisで可視化を行っていただけるような取り組みも進めております。第2回の寄稿や別チャネルでのご案内を予定しておりますのでぜひご期待ください。
株式会社システムサポート
BSX事業部 株式会社システムサポート
塩原 徹(しおばら とおる)
https://www.sts-inc.co.jp/