2023.11.27
CeloUG(Celonisユーザー会)は、2023年10月27日(金)に、第六回CeloUG全体会議を開催いたしました。この日は、待望の初の技術分科会も同時に行われました。
第一部では、Celonisの基本的な内容に焦点を当て、業務ユーザー向けのプロセスマイニングの効果的な説明方法や、Celonisが提供できるアセット、サポート内容についての技術分科会を開催しました。
第二部では、導入事例のご紹介や「失敗から学ぶ」をテーマにした参加者全員によるグループディスカッション、そして、Celonis製品の最新情報の提供を行いました。その様子の一部を以下に紹介します。
【プログラム】
第一部:14:00~15:00
技術分科会 寺田 有汰 (Celonis株式会社 バリューエンジニアリング本部 部長)
第二部:15:00〜17:00
開会の挨拶 近藤 裕司氏(KDDI株式会社 技術統括本部 次世代自動化開発本部 オペレーション基盤開発部 副部長)
導入事例のご紹介 品川 貴洋氏 (株式会社システムサポート 経理部) 寺田 和孝氏 (株式会社システムサポート BSX事業部 シニアマネージャ)
グループディスカッション モデレーター:近藤 裕司氏
Celonis製品アップデート 寺田 有汰 (Celonis株式会社 バリューエンジニアリング本部 部長)
第三部:17:00〜18:00
懇親会
【技術分科会】
技術分科会では、弊社バリューエンジニアリング本部の部長の寺田が登壇し、プロセスマイニングの現状と市場動向から始め、エンタープライズソフトウェア市場での急速な成長と企業の高い評価について説明しました。現在、60%以上の企業がプロセスマイニングを評価中または計画中であり、多くの企業が改善と高いROIを達成しているとの報告があったと述べました。
その後、プロセスマイニングの基本に焦点を当て、DXの文脈で業務プロセスを分析し理解する重要性について詳細に説明しました。部分最適化に陥った現場業務の例として、請求書支払いプロセスの複雑性を取り上げ、問題の正確な把握と解決にはプロセス改善への適切な投資が必要であることを強調しました。
プロセスマッピングとプロセスマイニングの対比を行い、プロセスマイニングが議論やワークショップを経ずに実際のプロセス情報から自動で可視化する手法であることをアピール。受注管理プロセスの実例を挙げ、分散した情報から変動が明らかになる様子を具体的に説明しました。
業務プロセスの期待値と実際の比較、非効率性のデータからの発見、プロセスマイニングの進化に焦点を当て、業務ユーザーがプロセスマイニングに慣れてくると、分析が進化し探索型から仮説検証型へ移行する様子を述べました。最後に、BIとの違いやプロセスマイニングが解決できる課題、四つのデモを通じて一般的なビジネス効果を具体的な例で紹介し、企業にとっての付加価値と透明性向上の重要性を強調しました。
技術分科会への参加は、プロセスマイニングに関する理解を深め、社内での理解促進のための効果的な知識を提供しました。これにより、参加者はより分かりやすい形でプロセスマイニングの重要性とビジネスへの影響を伝えることができるでしょう。
参加者からの感想や、今後分科会で取り上げて欲しい意見などを紹介します。
プロセスマイニングの基本的なステップを改めて理解できた
プロセスマイニングの課題抽出方法のセッションは有益でした
改めて自分も整理できたとともに、LOBに展開するに当たっても説明しやすいと思いました
今回の技術分科会のレベルであれば、十分理解できる内容のため、社内の展開のために継続いただきたい
Celonis Academyの内容は参考になるが、今回のような具体的な話も気軽に参照できるとありがたい
技術系以外にも、導入ケースの共有、推進方法の共有など取り上げて欲しい
【導入事例のご紹介:株式会社システムサポート】
株式会社システムサポートの経理部の品川貴洋氏と、同社BSX事業部のシニアマネージャである寺田和孝氏から、Celonis導入・活用に関する貴重な講演をいただきました。
最初に、株式会社システムサポートについて簡単にご紹介いただいた後、Celonisの価値検証を行ったステップ1についての詳細な説明がありました。Celonis導入の目的は以下の通りです。
業務プロセスの準リアルタイム可視化と課題の発見
課題に対する改善施策の実行
改善効果の定量的評価、継続的業務の改善、利益生産性向上
Celonis導入チームの技術力向上・導入実績につなげ競合優位の獲得
具体的な事例として、「案件管理」システムの「案件登録~受注確定」プロセスをCelonisで可視化し、約6000件のプロセスを分析しました。Celonisの導入により、得られた改善機会に対して、小規模な改善策を迅速に実行し、サイクルを繰り返すことで改善組織を育てました。例えば、100万円未満のプロセスを対象とした見直しでは、事業部長だけでなくマネージャ以上も決裁可能とし、年間3,000回以上発生する決裁行為の効率化の実現に取組ました。これにより、継続的な改善文化の確立と業務プロセスの最適化を達成しました。
次に現在取り組んでいるCelonisを利活用するために本社CoE部隊を立ち上げるステップ2についてご紹介いただきました。このステップでは、案件作成~発注までのプロセスにおいて、Celonisの重点テーマとした「業務最適化」と「承認スピード改善」に加えて、管理職の「時間外作業」に焦点を当て、「健康経営」を改善機会のテーマとして追加しました。それぞれのKPIを設計し、ダッシュボードを活用して具体的な成果をご紹介いただきました。
CoEでは改善の組織体制と実行サイクルを構築しました。改善機会を特定し、価値創出を分析。優先的に取り組む改善機会に対してアクションと実行計画を策定し、結果を監視。成功事例として経営陣に報告し、継続的なサイクルで価値創出を進めました。
各メンバーはCelonisのダッシュボードを活用し、「これは改善できるかも?」といった気づきを共有。分析インサイトはCoEボード会で1次切り分けが行われ、価値があるものは更なる分析と原因・改善施策の検討が進められました。最後に、Celonisに携わったメンバーの感想が紹介され、今後の展望とロードマップで締めくくりました。
参加者からいただいた講演の感想の一部を紹介します。
ビジネス側とIT側の協業体制の構築が改めて重要だと感じた
事例紹介の分析観点などは大変参考になりました
分析のイメージが具体的に沸き、完成した後の利用イメージができた
ツールそのものより「組織をどう動かすのか」、ここが鍵だと思った
Celonisを活用するための専門組織を作ることに、私の会社は苦労しているので、いかにして全社的に巻き込むようにしているのかを知ることができ、非常に参考になった
【グループディスカッション】
グループディスカッションでは、参加者を8つのグループに分け、「失敗から学ぶ」をテーマに1時間のディスカッションの後、各グループの代表から内容を発表してもらいました。
参加者からの感想をいくつか紹介します。
他社の人が困っているところなど共有できてよかった
エンドユーザーの課題点を知ることができた
グループディスカッションは仲間意識が生まれそうな時間でした
どの企業もCelonis活用にあたって、体制づくり、現場を動かすのに苦労していると感じた
初歩的な部分は分科会で理解できました。そして、活用のヒントはディスカッションを通じて得られました
開発者目線、分析目線で少し深みのあるレベルで話せるとうれしい。開発者などでグループ化できるとうれしい
グループディスカッションで、ツールを使うにあたってのデータ取得、組織体制の課題感を共有できてよかった
課題が共有できてよかった。泥臭い部分等、他社もそうであると知ることで、社内に対しても説得力がある
次回第7回は来年2024年2月頃の開催を予定しています。
問い合わせ先:CeloUG事務局(Celonis株式会社内)marketing-japan@celonis.com
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