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「Celonis Day Tokyo 2024」開催—日本企業が意識するべき「プロセスファースト」の重要性
イベントレポート第一弾

2024.9.19

2024年7月26日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて「Celonis Day Tokyo 2024」が開催されました。このイベントは、プロセスマイニングのマーケットリーダーであるCelonisが、プロセスマイニングの最新動向を日本企業に対してご紹介するものです。本稿では、各セッションのエッセンスを紹介します。なお、イベント当日の各講演については、こちらからご覧いただけます。

Celonisが主催する、日本最大のプロセスマイニングイベント「Celonis Day Tokyo 2024」。本イベントは、Celonis株式会社 代表取締役社長 村瀬 将思が登壇する基調講演によってスタートしました。

DXの最終ゴール、Autonomous Enterprise(自律型企業)とは

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村瀬は、日本企業が抱える生産性の低迷やDXの遅れといった課題に対し、「プロセスファースト」のアプローチを提唱します。これは、デジタル化やツール導入を優先するのではなく、業務プロセスそのものの変革を起点とする考え方です。

多くの企業では、業務プロセスが複雑化・ブラックボックス化し、非効率な部分が放置されていることがあります。これに対してプロセスファーストのアプローチでは、まずプロセスマイニングで業務プロセスを可視化し、どこにボトルネックや無駄があるかを明確にします。次に、生成AIを活用した具体的な改善策の提案など、従業員全体が業務改善へ参加できるような体制を整えます。これにより、これまで見過ごされてきた非効率な部分を改善し、企業全体の効率化と生産性向上を実現できると村瀬は語ります。

Celonisが提供するプロセスマイニングやプロセスマネジメントソリューションは、業務プロセスの可視化・分析・改善を強力にサポートします。これらのソリューションを活用することで、企業は継続的な業務改善を自律的に行えるようになり、「Autonomous Enterprise(自律型企業)」へと進化できます。自律型企業とは、業務の効率化と生産性の最大化によって、変化に柔軟に対応しながら持続的な成長を遂げることのできる企業を指します。

村瀬は、「日本企業が自律型企業へと歩みを進め、グローバルな競争優位性を獲得するためのパートナーとして共に歩んでいきます」と語り、続けてCelonisユーザーである企業のエグゼクティブを壇上に迎えました。

Celonisが実現する、データ整備とデジタル技術による業務プロセスの変革

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基調講演のはじめにCelonis製品の活用事例を紹介するのは、アフラック生命保険株式会社 取締役専務執行役員・CTO・CDIOの二見 通様です。二見様は、同社の保険契約管理業務を抜本的に再構築するプロジェクト「アフラック プロジェクトZERO」について語りました。

50年の歴史を持つ同社では、長年にわたり積み重ねられた業務プロセスやシステムが複雑化しており、業務効率が低下していました。そこで、保険契約管理業務のプロセスをゼロベースで再検討し、業務量が増加しても事業費が増加しない筋肉質な業務構造の実現を目指す「アフラック プロジェクトZERO」が立ち上げられました。

同プロジェクトでは、「感動的なユーザー体験の創出」、「事業費の大幅な削減」、「業務継続能力の向上」という3つの大きな目標を掲げています。「感動的なユーザー体験の創出」においては、Web手続きの簡素化などを実施しています。

プロジェクト遂行にあたっては、「デジタルファースト」、「業務・経営指標の見える化」など6つの原理原則を徹底しています。

特に、「業務・経営指標の見える化」においては、Celonisのプロセスマイニングソリューションを活用し、部門横断的な業務プロセスの可視化を実現しています。

二見様は、変革を進める上で、スモールスタートでPDCAサイクルを回しながらアジャイルに進めること、そして丁寧なコミュニケーションとエンゲージメントを重視することを強調しています。また、Celonisの製品・サービスに対しては、さらなる進化を期待すると表明しました。

パイロット導入ですでに1億円の試算効果、独自メソドロジーを策定し継続的な改善体制構築

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続いて、マクニカホールディングス株式会社 執行役員 CIOの安藤 啓吾様が講演を行いました。同社では、半導体業界特有のシリコンサイクルに対応するため、生産性向上を重要視しています。そこで2019年から基幹システム刷新プロジェクトを開始し、一定の生産性向上を実現させました。

安藤様は次のように語ります。「さらなる生産性向上を目指し、プロセスマイニングソリューションであるCelonisを導入しました。Celonisを選んだ理由は、全社横断でのデータ可視化、豊富な実績と導入の容易さ、グローバルでの利用可能性を評価したためです」

Celonis導入は、受注管理と商談管理を対象としました。本プロジェクトは、IT部門だけでなく現場メンバーも巻き込んだCOE(センターオブエクセレンス)チームで推進しています。

一方、システム環境の問題、アジャイルへの理解不足、プロセスマイニング用語の難解さなど、導入には苦労もあったと安藤様は語ります。これらの経験を踏まえ、マクニカでは独自の導入メソドロジーを策定しています。ポイントは、早期のユーザーの巻き込みと内製化、ユーザーへの教育、アーリースモールサクセスの推進です。

Celonisの導入によって、受注管理プロセスだけでも2024年度においては約1億円強の効果を得られる試算です。今後は、適用領域の拡大や新機能の検証を進めるとともに、2025年度以降には従業員自らがプロセスマイニングを駆使できるような、「自律型企業」への変革を目指す構えです。また、日本で得られた成果は、海外にも展開していく予定です。

Celonis活用でデータドリブンなプロセス改善、顧客満足度向上と業務効率化を両立

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続いて、イーデザイン損害保険株式会社 取締役社長の桑原 茂雄様が登壇しました。同社は、事故が起きない世界を目指すという新しいコンセプトの自動車保険商品「&e(アンディー)」を発売。新商品の発売に合わせて基幹システムとプロセスを刷新しましたが、今後のプロセスの肥大化を防ぐために、プロセスマイニングソリューションであるCelonisを導入しました。

桑原様は、Celonisの導入における目標は、顧客への価値提供・価値創造業務に注力できる仕組み作りだと話します。具体的には、事故対応サービスにフォーカスし、顧客満足度データとプロセスの相関を分析することで、顧客体験(CX)を高めることを目指しています。

Celonisによる分析作業は、データを回してみないとアウトプットが見えてこないという特徴があります。データがつながり、プロセスが見えてくるに従って、従業員自身がさまざまな発見をするようになったほか、分析プロジェクトを面白いと感じる従業員が増えてきたといいます。

Celonisによって、同じプロセスでも顧客満足度によって異なるプロセスが存在することが明らかになりました。この発見は、プロセスの改善点を見つける上で非常に役立ったそうです。業務効率を向上という課題は、業務の標準化によって解決しています。

Celonis導入にあたっては、まず1つのシステムに絞ってプロジェクトを開始しました。最初はIT部門が中心となり、プロジェクトをある程度推進した段階でビジネス部門を巻き込むというアプローチがイーデザイン損害保険には適していました。

同社では、Celonisを活用して顧客価値提供に集中できる体制を構築し、そこで得られた知見を東京海上グループ全体に展開していくことを目指しています。

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